2013年公開「いのちがいちばん輝く日~あるホスピス病棟の40日~」の舞台となったヴォーリズ記念病院(滋賀県近江八幡市)。
2022年11月の開院を目指し、移転工事がスタートしました。新しい病院は、医療で地域コミュニティの柱となるとともに、豊かな自然環境とも融合した病院づくりを目指しています。
映画では、日々のホスピス病棟での活動を中心に、ホスピス医細井医師と後継者、医療スタッフと患者との関わりを撮影。患者とその家族が安心して残された大切な時間を過ごす様子を描きます。
近江八幡は、近江商人発祥の地として知られる。
しかし、もう一つ忘れてならないのは、ウィリアム・メレル・ヴォーリズがこの地を拠点として精力的に活動し、「青い目の近江商人」と呼ばれたことである。
これには若干補足が必要であり、ヴォーリズが建築や医薬品輸入事業などを精力的に行った背景には信仰と事業を両立させ、近江八幡において医療や教育といった慈善事業を幅広く行うためであった。
ヴォーリズ記念病院は、ヴォーリズが結核患者の療養施設として大正7年に開院した近江サナトリウムが前身である。
ヴォーリズの隣人愛の精神に基づき、全人的医療、全人的ケアを実践する病院としての役割を近江八幡で果たし続けている。
2021年1月の元ホスピス長・細井順医師の復帰。翌2022年11月竣工予定の新病院によって、ヴォーリズ記念病院は新たなフェーズに移行する。
それは、近江八幡の自然環境と融合した病院づくりであり、旧病院も活用した地域コミュニティの拠点としての病院展開である。
さらに、現行の院内独立型のホスピス「希望館」を新病院では院内病棟型とし、現在も実施されている在宅医療との連携に加えて院内各部門との連携強化を行うことで、より丁寧で充実したケアを提供することを目標に掲げている。
映画では日々のホスピス病棟での活動を中心に、患者とその家族が安心して残された大切な時間を過ごす様子を描きます。
ヴォーリズ記念病院の新病院では、ホスピス病棟を1階に設置する。
これに伴って、ホスピス病棟専用の玄関を配置し、全ての入退院をこの玄関で行う。
これは、生と死をシームレスにすることで旅立たれた患者の尊厳を最も大切にすることであり、患者家族の死別後のさらなる悲嘆を軽減するものでもある。病室は全て水郷を向いて大きな窓で開かれており、周辺の自然環境との調和を目指している。また、在宅診療との連携により、症状コントロールが出来た患者は希望によって在宅療養に切り替え、在宅での療養が困難になった場合は病棟への入院措置をとるといった、病室と自宅をシームレスにする試みが行われている。
本作では上記の内容を丁寧に取材撮影し、「死」とはなにか?」「人間の尊厳とは何か?」を観る側に問いかける作品を目指すものである。
監督 溝渕雅幸
2024年/日本/カラー/4KDCP/100分
・監督:溝渕雅幸
・撮影:長谷川智章
・録音:増田岳彦
・後援:公益財団法人日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団
・制作:R’s STAFF
※こちらは、ヴォーリズ記念病院希望館を取材し劇場公開した前作「いのちがいちばん輝く日~あるホスピス病棟の40日~」の予告編動画です。
劇場公開時(2013年)に故日野原重明先生よりいただいたお言葉をご紹介します。
「私は今まで、こんなに心の底から感動したドキュメンタリー作品は見たことがありません。普通に考えれば、死は当人にとっても、愛する家族や友人にとっても、最も悲しい場面であるはずです。でも、その死こそが『いのちがいちばん輝く日』なのだと、この映画は伝えています。」
-朝日新聞be 2013年3月30日掲載(抜粋)―
日野原重明さま (聖路加国際病院理事長)
西村晋一 様
坂井繁 様
伊藤栄次 様
小笠原望 様
安田博彦 様
𠮷村昌也 様
堀江宏 様
藪秀実 様
Giovanni Capistrano 様
堀江芙美 様
齊藤淳一 様