高齢化が進む日本社会。今、人生の最終章の在り方が問われています。
内閣府の調査では50%以上の人たちが、住み慣れた場所で安らかな最後を迎える事を望んでいますが、約80%が病院で最期の時を迎えているのが現実です。
※内閣府平成28年度版高齢社会白書によると自宅で最期を迎えたいと応えた割合は54.6%
自宅で最期を迎えるための法律も含めたインフラの整備も徐々には進められてはいますが、医療・看護・介護の担い手の不足もあって決して満足のいくモノとはなっていず、益々高齢化が進むこの国にあって、大きな問題となっています。
私が取材を通じて人生を長く生きてきた方々からよく耳にする言葉は、『物質的な豊かさより精神的な豊かさを大切にしたい。』というものです。それは、人生の最終章を心穏やかに過ごすことに他ならないと感じています。
果たして「本当の豊かさ」や「本当の幸せ」は何処にあるのでしょうか?それはどのようなものなのでしょうか?私自身、年齢を重ねて、若いころに追いかけた豊かさ幸せと今求めるものはまるで違うものになっています。
本企画では、高知県四万十市で、地域のかかりつけの診療所を拠点に、在宅医療に取り組む小笠原望医師と四万十川の流域で暮らす人々との交流を見つめながら、「本当の豊かさ」や「本当の幸せ」の在処を探るモノです。
四季折々の表情を見せる四万十川の自然を背景に、今、失われつつある人と人の絆から、人生の意味を探りたいと考えています。